現在、教職についておられる方が、中期~長期留学を希望している場合、様々な条件がございますのでここでご説明いたします。
現役の教職員の方が中期~長期留学をする場合
以下の2パターンが考えられます
- 日本の教員を退職し、海外留学
- 日本の教員を休職し、海外留学
1.日本の教員を退職し、海外留学
このパターンの場合、留学予定の前年度に学校へ退職の意向を伝え、『ご自身の語学力向上のための海外留学』か『教員として役立つ資格取得のための海外留学』を目指す方が多いです。
※学生ビザ、ワーキングホリデービザなどの査証に関してはご自身での申請になります。
自身の語学力のための海外留学
- 語学学校へ通う
- ワーキングホリデー(語学学校+就労)
教員として役立つ資格取得のための海外留学
主に語学学校などで以下のような資格を取得するための講座を受講します
- TESOL (Teaching English to Speakers of Other Languages)
- 英語を第二言語とする主に学生向けの英語を教える資格・教える対象は大学生や大人
- TECSOL (Teaching English to Child Speakers of Other Languages)
- 世界的に認められた英語を教える専門の資格・教える対象は12歳未満
- J-SHINE
- 日本の小学校での英語教育に必要な民間資格・教える対象は主に12歳以上
- CELTA (Certificate in English Language Teaching to Adults)
- ケンブリッジ大学英語検定貴校に認定されている大人向けに英語を教えるための資格で、世界で最も信頼されている英語指導資格の1つ・高い英語力があることを証明できる
- DELTA (Diploma in English Language Teaching to Adults)
- 英語を第二言語とする大人向けの英語を教える資格・最低2年の英語教師としての実務経験があることが資格取得の条件で、CELTAよりも高度な資格
2.日本の教員を休職し、海外留学
このパターンの場合、『大学院修学休業制度』や『自己啓発等休業制度』を利用して長期留学を実現させる方が多いです。
※当協会ではこちらのパターンでの長期留学のお取り扱いは現在行っておりません。予めご了承ください。
「大学院修学休業制度」とは…
”教員が国内外の大学院に在学し、専修免許状を取得する機会を拡充するため、創設された制度。平成13年度より開始され、この制度により、教員の身分を保有したまま大学院にフルタイムで在学すること、在学する大学院を選ぶこと等ができます。”
- 公立学校の教員(教諭、養護教諭、栄養教諭及び講師)で、一種免許状又は特別免許状を有する者は、任命権者の許可を受けて、専修免許状を取得するため1年を単位とする3年を超えない期間、国内外の大学院へ在学し、その過程を履修するための休業をすることができます。 (1年、2年又は3年であり、年を単位としない期間の休業はできません)
- 休業中の教員は、その身分を保有しますが、職務に従事しません。
- 休業中は給与は支給されません。
- 基礎となる一種免許状又は特別免許状に係る最低在職年数(3年)を満たしている者が対象。
日々の教育活動を通じて培われた問題意識について、大学院での専門的な研究や分析に基づいて理論的・体系的に整理することにより、より高度な実践力を身につけることが期待されます。
参考:
<文部科学省HP『大学院修学休業制度の概要について』>https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuugyou/syuugaku.htm
<文部科学省HP『教育公務員特例法』>
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuugyou/syuugaku_00002.htm
※制度上、外国の大学院も対象として含まれていますが、日本の大学院等と比較して入学年次、教授内容、授業時数、終了年限等を考慮した結果、お住まいの都道府県教育委員会が自己の有する一種免許状又は特別免許状を基礎とする専修免許状を授与することが可能であると判断した場合のみ、申請のあった外国の大学院の課程も許可の対象となります。このため、必ず事前にお住いの都道府県教育委員会にご確認をお願いします。
大学院修学休業の許可を受ける手続きの流れ(一例)
- 大学院修学休業を希望する教員(以下、申請者)が、在学を予定する大学院を選ぶ
- 大学院受験手続き前に必ず任命権者(各都道府県教育委員会)に相談する(合格決定後に不許可等の事態が生じることを避けるため)
- 申請者が、申請書を任命権者(各都道府県教育員会)に提出
- 任命権者が審査した結果、要件等を満たし、教職員定数の管理等に不都合がなければ、大学院修学休業の許可が行われる
- 申請者が大学院の入学者選抜試験を受験し、受験の結果が出る
※大学院修学休業申請はご自身での申請になります。
<文部科学省HP『大学院修学休業制度QA』>
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuugyou/syuugaku_00001.htm
「自己啓発等休業制度」とは…
”大学等における修学や国際貢献活動を希望する常勤の職員に対し、職員としての身分を保有したまま職務に従事しないことを認める制度”
- 休業期間は、大学等における修学のためだと2年(特に必要なら3年)、国際貢献活動のためだと3年まで可能
- 教職として在職期間が2年以上ある方が制度利用可能
- 教職の身分は保有できるが、給与は非支給
- 休業期間が満了したとき(留学後)は、教職に復職すること
参考:人事院HP 自己啓発等休業制度のページ
自己啓発等休業制度を利用して海外留学を実現する流れ(一例)
- 学校の上司に「自己啓発等休業制度」を利用して長期留学する意思があることを伝える(前年度)
- どの大学に何を学びに行くかを決める
- 「自己啓発等休業承認請求書」を作成・提出する
- 必要書類を集めて、大学へ入学申請する
- 大学から入学許可証が発行される
- 大学の入学許可証を学校へ提出する
- 自己啓発等休業制度の正式な許可を受ける
- 学生ビザを申請・取得し、長期海外留学へ出発!
- 留学中も定期的に書面で活動報告(学習内容の報告書や成績表の提出など)をする
※自己啓発等休業制度の詳細は各都道府県の地方自治体でご確認ください。自己啓発等休業申請はご自身での申請になります。
(参考:東京都の場合⇒教員等の休職による海外留学の取扱いについて (tokyo.lg.jp))